研究課題/領域番号 |
17530486
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
柿沼 美紀 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (00328882)
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研究分担者 |
上村 佳世子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (70213395)
畠山 仁 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 助手 (30350177)
土田 あさみ 東京農業大学, 農学部, 講師 (60439891)
濱野 佐代子 ヤマザキ動物看護短期大学, 動物看護学科, 講師 (90413137)
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キーワード | チンパンジー / 母子相互作用 / 世代間伝達 / 道具使用 / 探索活動 |
研究概要 |
多摩動物公園における過去7年のデータから、母親の養育態度、子どもの道具使用についてまとめた。 多摩動物公園における月1回の観察を継続した。 多摩動物公園以外で生活するチンパンジーの子育ての観察も実施した。 1)多摩から転出し、子育てをしている個体(秋田大森山)、子育て放棄をした個体(秋田大森山)、2)人工哺育のため転出した個体(伊豆シャボテン公園)、3)数は少ないが3頭がすべて子育てに成功している園(静岡日本平動物園)の母子の観察も実施。子育ての世代間伝達のパターンの検討資料とした。 研究成果発表は以下にまとめる I.子育てスタイルの世代間伝達:3頭の母親の養育態度の比較より、1)群の周辺部で静かに行う、2)群の中心部でのんびりと育てる、3)子どもへの応答性が高い、4)応答性が低い、などの要素が見られた。多摩動物公園で生まれ、そこで子育てをしている個体の子育ては、母親と共通する部分と、他個体と共通するものが含まれていた。 II.4組の母子の比較を通して、1)母親の活動レベル、2)子の探索活動の範囲、3)道具使用(棒を用いたジュースなめ)技術の獲得時期について分析。母親の活動レベルが高い個体は、10ヶ月時、18ヶ月時の探索活動範囲が広く、内容も多岐にわたっていた。また、棒をジュースなめの場所に差し込むなど、20ヶ月頃から道具使用に感心を示した。しかし、ジュースなめ技術は30ヶ月前後まで獲得しなかった。一方、母親の活動レベルが低い個体は、探索活動も限定されていた。棒の使用はジュースなめ技術獲得直前に始まった。いずれの個体も実際に技術を獲得したのは30ヶ月前後であった。 新たに誕生した個体のデータを加え、上記の2点ついて今後も検討を重ねる。
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