平成17年度から平成18年度の2年間にわたり、郵送法による質問紙調査を実施した。本学教育学科を卒業後、3年以内に小学校教員として勤務している教員137名を対象として。調査内容は、軽度発達障害児を担当しているか担当していた経験の有無、軽度発達障害児への対応で困ったことや問題点、授業の実施と学級経営上の問題点、小学校全体での取り組みの方法についてであった。また、担当しているか担当していた軽度発達障害児について学習面、行動・情緒面、先生との関係、他児との関係、集団場面で見られる様子、クラス全体への対応、軽度発達障害児の保護者への対応、学校内の体制、学校外の外部機関との連携体制に関する116項目に回答を求めた。返送されてきた有効何答数は、64名(46.7%)であった。 調査結果が郵送されてきた教員のうち、軽度発達障害児を担任している教員を対象に、面接調査に同意した7名の教員に面接調査を実施した。質問紙への回答をもとに、具体的な対応方法や教員間の連携、前任者との引継ぎの状態などについて詳しく聞き取り調査を実施した。面接調査の結果、保護者との関係、他の教員との連携において問題点が見られることが示された。 さらに、調査結果が郵送されてきた教員のうち、軽度発達障害児を担任しているか担当していた教員を対象に、平成18年3月末に追跡調査を行った。19名の回答結果から対象となる児童の問題は軽減していだが、保護者への対応と学校内の支援体制と学校外の外部機関との連携は進んでいないことが示された。 以上の結果から支援方法として、教員養成系大学における教育ボランティアの活用とその連携体制が必要であることを示唆した。
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