わが国の適応指導教室の中からランダムに抽出された200箇所の指導員全員を対象に、連携についてどのような意識を有しているか明らかにするために、郵送法によるアンケート調査を実施した。その調査概要は、大きく分けると4つのカテゴリーから構成されていた。第1は、連携の状況に関する意識であった。児童生徒の在籍校との関係、指導員同士の関係、主管部局との関係、保護者との関係、外部機関との関係、さまざまな人・社会との関係という5つの観点について、さらに詳細な活動に関する必要度、実践度、満足度について質問した。第2は、適応指導教室のあり方に関する意識であった。従来から適応指導教室のあり方として言われている3つの立場、学校生活への復帰を支援する場、児童生徒の自己実現を支援する場、指導や援助を組織的、計画的に行う場について、それぞれ賛同度と実践度を求めた。第3は、適応指導教室の仕事に対するモラールであり、11項目から構成されていた。この質問項目については、因子分析を行った。第4は、適応指導教室の連携のあり方に関して指導員の自由記述を求めた。さらに、フェースシートとして、性別、年齢、教職経験と経験年数、心理学に関する専門資格の有無、指導員の人数、勤務形態と勤務日数、職名を設定した。 適応指導教室のあり方について、どのような意識を有しているかによって、連携に対する必要性、実態はどのように異なっているのか、また、満足度についても明らかにした。さらに、これらとモラールとの関係についても分析した。また、フェースシートの要因もどのように影響を及ぼしているかについても分析した。
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