研究課題/領域番号 |
17530503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
石垣 琢麿 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (70323920)
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研究分担者 |
岡田 守弘 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (30018056)
井上 果子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (10242372)
丹野 義彦 国立大学法人東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (60179926)
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キーワード | 妄想的観念 / 中高生 / 対人信頼感 / 攻撃性 / ベイズ理論 |
研究概要 |
わが国の中学生に適用可能な妄想的観念尺度を作成するため、諸外国で成人に対して既に数多く用いられている尺度であるPeters et al. Delusion Inventory(以下PDI)およびその日本語版を、原著者および日本語版作成者から許可を得て中学生用に改訂した。その際、現職の中学校教員5名と臨床心理学専攻の大学院生1名から協力を得て質問項目の表現の修正および削除を行い、中学生35名を対象に予備調査を行って調査可能性を検討した。この中学生用PDIは、(1)妄想的観念体験の有無、(2)その観念を抱いたときの苦痛度、(3)その観念の心的占有度、(4)その観念に対する確信度、という4つの次元から構成されている。(1)において「ある」と回答した項目数がPDI得点となる。中学生用PDI、信頼感尺度(天貝,1996)、中学生版攻撃性質問紙(大竹ら,1998)を用いて、ある中学校の全生徒を対象に、再調査を含め2回の調査を実施した。その結果、PDIの再検査信頼性は比較的高く、各次元の信頼性係数も.8〜.9と高く、尺度としての信頼性は十分であると考えられた。PDI得点は、性差はみられなかったものの、中学1年生から2年生にかけて増加していた。また、信頼感尺度の下位項目である「不信」尺度および攻撃性尺度の下位項目である「敵意」尺度とPDI得点は有意な相関を示した。成人用PDIを用いて大学生を対象に調査を実施した結果からもほぼ同様の結果が得られた。中学生と大学生とでは、異なる尺度を用いざるを得ないため単純比較はできないが、両者の相違点は、大学生の方が苦痛度の高い項目が多いこと、中学生の方が心的占有度の高い項目が多いこと、であった。この結果の一部は、ギリシアで開催されたEABCT2005および慶應大学で開催された第69回日本心理学会で発表された。来年度は、対象者を増やした中学生の縦断調査の実施と、高校生を対象とした調査の実施を計画している。
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