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2005 年度 実績報告書

バウムテスト輸入時の問題点とコッホの思想の再評価

研究課題

研究課題/領域番号 17530504
研究機関富山大学

研究代表者

岸本 寛史  富山大学, 保健管理センター, 助教授 (90397167)

研究分担者 斎藤 清二  富山大学, 保健管理センター, 教授 (70126522)
キーワードバウムテスト / カール・コッホ / 心理検査 / 診断 / 事例研究
研究概要

本年度は、コッホの原著『バウムテスト第三版』の翻訳を終え、翻訳資料をもとに京都で3回、富山で6回の研究会を行った。京都の研究会においては、これまでわが国にほとんど紹介されていなかったコッホの基本姿勢が明らかとなった。すなわち、バウムのイメージを持ち続ける中で開けてくる直感を重視するという描かれた素材への基本姿勢や、優れた描写はそのまま解釈になるという解釈の基本姿勢がそうである。富山の研究会においては、コッホがバウムテストを行っていた目的が集中的に議論され、コッホが判別診断(統合失調症であるかないか、神経症であるかないか、など判別によって診断をある程度明確にしていくような姿勢)を必ずしも目指していなかったという点が明確になった。これらの議論の中で、判別診断と総合診断という二つの診断のあり方が浮上し、コッホが目指していたのは総合診断であり、判別診断は総合診断に組み込まれる形でそれが何らかの意味を持つ時にだけ触れるという位置づけであった。コッホは判別診断を否定しているわけではないが、その危険性も十分に自覚していて、かなり慎重な姿勢をとっていることが明らかとなった。これらの成果は「コッホにとっての心理診断」(学園の臨床研究第5号、印刷中)という論文にまとめられた。
さらに「国際心身会議in富山」(平成18年3月23日〜24日)を開催した。ここで斎藤が事例を発表し、内外の研究者による討論がなされた。ここでは世界樹の伐採というテーマが治療的に大きな意味を持っていたことが明らかとなった。バウムが単なる検査としてではなく、治療としても大きな意味を持つ可能性が示唆された。また同会議において、岸本は「身体疾患患者のバウムと夢」というタイトルで演題発表を行い、非言語的な交流のあり方、無意識的身体心像などについて議論がなされた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] コッホにとっての「心理診断」2006

    • 著者名/発表者名
      岸本寛史
    • 雑誌名

      学園の臨床研究 5(印刷中)

  • [雑誌論文] 表現の発生2005

    • 著者名/発表者名
      岸本寛史
    • 雑誌名

      臨床描画研究 20

      ページ: 11-25

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Revaluation of case study as a human science-oriented research method2005

    • 著者名/発表者名
      N.Kishimoto, S.Saito
    • 雑誌名

      Journal of Psychosomatic Research 58(6)suppl

      ページ: S97

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 体の病気と心理的援助の可能性2005

    • 著者名/発表者名
      岸本寛史
    • 雑誌名

      臨床心理学 5(2)

      ページ: 169-173

  • [雑誌論文] Evidence-based approachとNarrative approach2005

    • 著者名/発表者名
      斎藤清二
    • 雑誌名

      Modern Physician 25(12)

      ページ: 1487-1491

  • [雑誌論文] ナラティブ・ベイスト・メディスン2005

    • 著者名/発表者名
      斎藤清二
    • 雑誌名

      日本医事新報 4246

      ページ: 22-27

  • [図書] 健康によいとはどういうことか2005

    • 著者名/発表者名
      斎藤清二
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      晶文社

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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