研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、「正の意味を見いだす(FPM)」コーピング、正感情、そして健康、これら3者の関係を調べることであった。このため、最終的に、1つの横断研究、2つの予測的研究、3つの介入研究が行われた。参加者は、大学生か大学院生、あるいは両者であった。測定尺度は、主として4つの質問紙、一般コーピング質問紙(GCQ)、正負感情スケジュール(PANAS)、一般健康質問紙(GHQ)、抑うつ尺度(CED-D)であった。予測的研究では、質問紙は5週間離れた2時点で測定された。介入研究では、正感情あるいはFPMコーピングを高める操作が5ないしは9週間実施され、介入群と統制群の結果が比較された。FPMコーピングを高める操作は、過去3日間のストレス事象に正の意味を見いだすことで、正感情を高める操作は、毎日正の出来事を書き留め、週1回それらについて15分間筆記することであった。各研究で方法が異なっていたため結果にはいくつかの不一致があったが、もっとも因果推定力の高い介入研究を中心に以下の知見が確認された。(1)FPMコーピングの高まりは正感情の高まりをもたらす。(2)正感情の高まりはFPMコーピングを高めない。(3)正感情もFPMコーピングも、抑うつと社会的活動障害の観点から健康を改善する(その効果の発揮には、FPMコーピングにおいては時間がかかる)。こうしてこれらの知見は、特に正感情が健康増進に有益であること、そしてFPMコーピングは正感情を高めるために利用できることを示唆している。ここから、今後の一次から三次予防のために、自己コントロール型の介入方法が開発された。そして最後に、本研究における問題点から、今後行うべき研究課題が示唆された。
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