1)身体感覚、遊び、ボディ・イメージ、食行動、自己意識等の関連研究について、感性教育、身体環境、身体性、情動、栄養、武道など広い視野から文献資料を収集した。 2)青少年を対象に、日常生活における「身体感覚と自己評価」の関係について、調査を実施した。内容は、食習慣、摂食態度、自尊感情、PBI、身体感覚イメージ、TCIなどである。身体感覚を健康心理学的に考えると、子どものときからの様々な生活習慣、生活の変化等が関わり、短絡的な行動、忍耐力のなさ、緻巧性の欠如等、様々な意識や行動パターンの変化に影響しているとみられる。これらは、日常の生活習慣、健康意識、食行動、社会的なスキルなど様々な問題とも関連することが推測された。生理社会心理的モデルのように、総合的・全体的視点から心身の健康を考える必要が指摘される。脳内神経伝達物質のセロトニン濃度が、うつ症状や切れやすい子供などに関わっていることが指摘されている。免疫系を含めた生理的メカニズムに影響を及ぼすのは、日常の行動や生活習慣からのアプローチも考えられる。一定リズムの歩行、規則正しい呼吸もセロトニン神経系を刺激するとも指摘されている。身体感覚の基本をなしている姿勢、歩行、食行動のような日常的な行動が、精神やからだの健康と深く関わっていることが推測された。 3)「姿勢」「歩行」「遊び」「身体接触」「食行動」について、家庭や幼稚園などの実際場面での観察を行い、画像としてデジタル記録し、できるだけ多くの場面でのデータを収集した。特に「食行動」に関しては、幼稚園や家庭などに協力を依頼し、幼児の昼食「弁当」それ自体や食に関連する社会的スキルについても観察し、デジタル記録した。さらに幼稚園児に面接調査を実施し、食に関連する情報、家庭での養育者との相互作用についてインタビューした。データについては、現在解析中である。
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