今日、要介護高齢者が住みなれた地域での在宅生活を送るための生活支援が強く求められている。本研究は、心理リハビリテーションに基づいた要介護高齢者に対する地域生活支援プログラムについて、実践を通じた検討を行うことを目的としている。特に、動作法、生活指導、集団療法を有機的に組み合わせたプログラムについて、デイサービスやグループホームの中で検討を行うものである。 平成18年度は、集団療法が対人行動に及ぼす影響について検討を行った。集団療法は、それを実施すること自体で要介護高齢者の対人行動を活性化させる部分もあるが、スタッフの働きかけのあり方でも大きく変化をすることが画像分析から明らかとなった。またさらに、生活指導と認知症の関係についても調査を行った。特に、口腔状態と日常生活自立度の関係について分析を行い、咀嚼嚥下機能と日常生活自立度に有意な関係を認めた。 今後は、食事や排泄、睡眠などの基本的な生活指導が要介護高齢者の情緒面や対人行動に与える影響について検討を行うことを予定している。
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