研究課題/領域番号 |
17530528
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森 周司 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 教授 (10239600)
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研究分担者 |
森 善一 茨城大学, 理工学研究科, 助教授 (70305415)
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キーワード | スポーツ / 心理物理学 / バイオロジカル・モーション / 追従 / 反応時間 / 空手道 / 網膜偏心度 / 注意 |
研究概要 |
本研究の目的は、スポーツ心理物理学の研究対象・方法論を発展させ、1.スポーツ選手の身体運動を複数の光点で表現した刺激(以下、バイオロジカル・モーション刺激)に対する認知特性の検討、2.視標追従中の反応時間の測定、を行うことである。 本年度は、1.に関しては、空手道選手のバイオロジカル・モーション刺激を用いて、一般人を対象とした認識実験を行った。その結果、(1)刺激を構成する光点数が多くなるほど、認識正答率がチャンスレベルから100%近くまで上昇すること、(2)認識正答率は呈示フレーム数の関数となること、(3)技の種類により呈示フレーム数の関数形が異なること、(4)以上の結果は練習の程度に左右されないこと、を明らかにした。これらの結果は、バイオロジカル・モーションと言う限られた視覚情報からでもスポーツ選手の身体運動が正確に認識可能であることを示している。 2.に関しては、網膜像運動、追従の正確さと反応時間のトレードオフ、追従方向への注意の移動、の各要因について実験を行った。その結果、(1)追従中の網膜像運動により視標への反応時間が遅くなること、(2)追従が正確になるほど反応時間は遅くなること、(3)追従する方向に視標が呈示されると反応時間が速くなること、を明らかにした。これらの結果は、視標追従中の反応時間が視線固定時の反応時間とは質的に異なることを示唆する。 以上の成果については、雑誌論文(「11.研究発表」参照)に加え、国際心理物理学会(セント・アルバンス、平成18年7月)、日本心理学会(福岡、平成18年11月)などで発表した。
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