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2005 年度 実績報告書

共有による報酬の価値割引から見た社会的相互作用の実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17530530
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪市立大学

研究代表者

伊藤 正人  大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70106334)

キーワード報酬の価値割引 / 社会割引 / 報酬の共有と独占 / 双曲線関数 / 社会的順位 / 同時選択場面 / 調整量手続き / ハト
研究概要

本年度は,ハトを被験体として,他個体と餌場を共有することにより,その餌場の主観的価値が低下する社会割引の過程を調べた実験と,この社会割引の過程と社会的順位の関係を調べた実験を行った.まず,前者の実験では,八角型実験装置を用いて,自己だけで摂食できる独占餌場と,他個体と一緒に摂食する共有餌場を設けた.餌場を共有する個体数は,0,1,2,3,4,7個体の6条件とした.前試行の選択により,独占餌場の報酬量(1個20mgの餌ペレットの個数)が変化する調整量手続を用いて,共有する報酬量と主観的に等価となる独占餌場のペレットの個数(主観的等価点)を求めた.この結果,共有する他個体が増加すると,共有餌場の主観的価値は減少すること,この減少過程は,指数関数よりも双曲線関数により,うまく記述できることが示された.
後者の実験では,最初に,一対比較法により,実験個体8個体を,2個体づつの組にして,八角型実験装置の共有餌場における餌の取り合いを指標とした勝敗(餌を摂食できた個体が勝ちとした)から,各個体の社会的順位を決定した.この結果,各個体を1次元尺度上に位置付けることができた.次に,このような社会的順位と共有による報酬の価値割引(社会割引)の関係を調べるために,共有する他個体を,実験個体よりも社会的順位の高い個体とした場合と,低い個体とした場合を,共有する他個体条件1個体と2個体の2条件について検討した.この結果,特に,社会的順位の高い他個体と共有する場合には,共有する報酬の価値が大きく割引かれることが示された.この結果は,個体間の社会的関係が,社会割引に影響することを示唆している.

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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