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2007 年度 実績報告書

選択行動の脳内メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17530543
研究機関川崎医療福祉大学

研究代表者

彦坂 和雄  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (60129004)

キーワード選択行動 / 報酬 / 前頭葉 / 神経細胞活動 / サル
研究概要

本研究では2つの事態「どちらを選択しても報酬は得られるが、速く反応すれば少ない報酬,遅く反応すれば多くの報酬がもらえる」における選択行動の脳メカニズムの解明を目的とする。サルをディスプレイの前に位置したモンキーチェアに座らせる。(1)サルがレバーを3秒間押すとディスプレイ中央の位置に視覚刺激(S1)が提示される。この時サルがレバーを離せば早反応報酬が得られる。(2)引き続き,サルがレバーを押しつづけていると,遅延3秒後に視覚刺激(S2)が提示される。この時サルがレバーを離せば遅反応報酬が得られる。遅反応報酬の量は常に一定(0.3cc)とし,早反応報酬の量は5種類の課題で変化させた(課題10cc、課題20.21cc、課題30,24cc、課題40.27cc、課題5.0.3cc)。さらに4試行を1つのブロックとして,1ブロック内では4つの異なる報酬を常に一定の順序(オレンジジュース,水,ポカリスェット,無報酬の順序)で与えた。サルの行動分析の結果、課題1では遅反応の割合が100%であるのに対して、課題5では早反応の割合が100%であった。課題2-3では早反応と遅反応が見られたが、課題2から課題3にかけて早反応の割合が徐々に増加した。
今年度は前頭葉から神経細胞活動を記録し、早反応試行と遅反応試行、両試行で反応した神経細胞の性質を明らかにしたところ、早反応試行で3秒前後に観察される細胞は大きく2つのタイプに分類された。(1)遅反応試行で、6秒前後に活動が観察されるタイプ。(2)遅反応試行で3秒前後に活動が観察されるタイプである。前者は報酬期待に関与する細胞、後者は3秒が終了する時点で、早反応か遅反応を決める意思決定に関与する細胞と考えられた。2種類の細胞は、前頭葉背外側部で混在して観察された。報酬量の異なる選択行動における前頭葉背外側部の重要性が明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Domain-related dillerentiation of working mernory in the japanese macaque(Macaca fuscata)frontal cortex:a positron emission tomography study2007

    • 著者名/発表者名
      T Kojima, H Onoe, K Hikosaka, K Tsutsui, H Tsukada, M Watanabe
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience 25

      ページ: 2523-2535

    • 査読あり
  • [学会発表] 動機付け行動における報酬、報酬期待関連脳部位間の機能的関係2007

    • 著者名/発表者名
      渡辺 正孝、彦坂 和雄
    • 学会等名
      平成19年度特定領域研究「統合脳」合同領域班会議
    • 発表場所
      学術センター(東京)
    • 年月日
      2007-12-22

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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