研究概要 |
1,ブリスベン大学における「大学開放」事業の実態と課題について調査を行い、遠隔教育システムの有効性と「大学開放」事業におけるキャリアアップ教育の位置づけなどを把握した。 情報通信システムを利用して学生の学習をサポートするシステムが運用され、確実に教育効果をあげている。また、一般市民向けの各種の講座が開設され、それらは一般教養的なものと同時にキャリア形成としての性格を持つ教育プログラムも多数開設されていることが明らかになった。 2,地域住民の学習活動をサポートする「大学開放」の在り方を検討した。全日本大学開放機構のフォーラムなどにおいても議論されているが、大学がキャリア教育に積極的な役割を果たすようになってきている、ということが確認できる。 3,「あおもり県民カレッジ」の「学生」に対するアンケート調査の分析から、概ね以下の点を明らかにした。「あおもり県民カレッジ」という、地域生涯学習ネットワークが、平成9年10月の設立以来約10年を迎え、文字通りの「生涯学習ネットワーク」という実体を形成しつつあること、「学生」の中で学習した成果を活用する場として、地域課題や生活課題に積極的に取り組む、という志向が強まっていること、等々が確認できた。 4,岩手県及び青森県において、自治体の社会教育・生涯学習担当者にインタビュー調査を実施することで、職員の専門性を向上させる研修機会が自治体で用意しているものの必ずしも十分ではなく、大学の持つ調査研究と教育機能を積極的に「開放」することが求められていることを明らかにした。
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