研究課題/領域番号 |
17530550
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
手打 明敏 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (00137845)
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研究分担者 |
谷 和明 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 教授 (10236672)
上田 幸夫 日本体育大学, 体育学部, 教授 (90103564)
大野木 龍太郎 浜松学院大学, 現代コミュニケーション学部, 教授 (40269634)
浅野 秀重 金沢大学, 大学教育開放センター, 淮教授 (90334789)
安藤 耕己 吉備国際大学, 社会学部, 講師 (30375448)
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キーワード | 社会的協働 / 地域社会教育 / 公民館 / 住民自治センター / 社会文化センター / 自治公民館 / NPO / 公共性 |
研究概要 |
本研究では、地域社会教育活動が活発に展開している韓国、ドイツの自治体行政と市民との関係についての国際比較研究をとおして、わが国の行政と市民団体との関係の特徴を解明することも目指した。本研究では、地域社会教育活動を考察するにあたり、特に公民館に焦点化して検討をおこなった。公民館の管理・運営の状況をみると、自治公民館については、多くの場合、自治会や町会といった伝統的な地域住民組織に委託されている。多くの場合に、行政的公共の代替として機能してきた傾向が強かった。しかし、今日、長野県松本市の町内公民館にみられるように、地域住民組織が行政(社会教育主事や公民館主事)と連携しながら学習活動を組み込んで地域福祉や子育て支援等の地域課題解決に向けた活動を展開している。自治会や町内会といった地縁的な住民組織が地域的な非同性を維持しつつ市民的公共性を志向する可能性をどのように切り拓いていくかが今日的課題である。他方、社会教育法に規定された公民館においては地域のNPO団体の受託が見られるが、社会的使命や牒題を共有する住民団体と自治体との社会的協働のありようという点でみたとき、NPO受託もまた管理や事業における新しい公共性を追求する可能性がある。このように、今日のわが国の公民館の管理・運営をめぐる住民組織(団体)と自治体との社会的協働にあたっては、地縁的地域住民組織と課題共有型の住民団体の双方を視野に入れながら進めていく必要がある。地域の多様な市民組織(団体)と自治体が課題を共有し対話を重ねながら課題解決を図っていく方向が、韓国とドイツの事例から我々が得た示唆である。
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