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2006 年度 実績報告書

アメリカおよび日本におけるシティズンシップ教育の思想史的文脈とその変容

研究課題

研究課題/領域番号 17530556
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

小玉 重夫  お茶の水女子大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (40296760)

キーワードシティズンシップ / 公共性 / ハンナ・アレント / 教育 / チャータースクール
研究概要

平成18年度は、前年度の研究成果をふまえて、アメリカにおけるシティズンシップ教育の展開をミネソタだけでなく他の州および英国との関係をふまえてさらに追究していくと共に、日本におけるシティズンシップ教育論の展開を、アメリカにおけるそれとの関連性をふまえつつ、検討した。
まず、アメリカにおいては、ミネソタにおける政治的シテイズンシップ論の思想史的文脈をほり下げる作業を継続すると共に、他州にも視野を広げて、No Child Left Behind法以降の現状との関連もふまえて分析した。そのために、2006年4月に開催されたアメリカ教育学会大会(サンフランシスコ)に出席して資料を収集すると共に、研究者と交流し、意見交換・情報交i換を含めた討論を行った。
また、日本については、1990年代においてアメリカとの歴史的文脈を共有しつつも欧米諸国とは異なる特質を有している点に注目した。それは、日本の60年代における福祉国家の脆弱性という問題である。この点を意識しつつ、1960年代から80年代までの日本における家族、学校、企業社会のトライアングルが福祉国家を代替してきた思想史的な背景とその教育学的な前提を問い直し、そこに教育学的な思考や実践がいかに関与してきたのかを分析した。さらに、そうした作業をふまえたうえで、1990年代以降にこの家族、学校、企業社会のトライアングルの構図が解体、再編の局面に入り、グローバリゼーション下において青年期から成人期への移行に関する日本的システムが崩壊しつつある現状を、理論的に分析した。以上の成果の一部を家庭科教育学会の講演、および教育思想史学会の『近代教育フォーラム』で発表した。
さらに、アメリカにおけるシティズンシップ教育の背景にある思想史的動向を深める作業の一貫としてハンナ・アレントに関する資料をドイツに渡って収集し、あわせてヨーロッパ、イギリスにおけるシティズンシップ教育の理論をアメリカ、日本との比較をふまえて分析して『高校生活指導』誌に論文として発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] バーナード・クリックを導入する-政治教育における熟議と闘技の間2007

    • 著者名/発表者名
      小玉 重夫
    • 雑誌名

      高校生活指導 172

      ページ: 114-119

  • [雑誌論文] マルチチュードとホモ・サケルの間-グローバリゼーションにおける包含と排除-2006

    • 著者名/発表者名
      小玉 重夫
    • 雑誌名

      近代教育フォーラム(教育思想史学会) 15

      ページ: 89-102

  • [雑誌論文] 今、求められるシティズンシップの教育と家庭科2006

    • 著者名/発表者名
      小玉 重夫
    • 雑誌名

      日本家庭科教育学会誌 49・3

      ページ: 203-216

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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