研究概要 |
本研究は,実践的指導力を備えた教員を育成する教員養成プログラムを開発する際の指針となる「プロフェッショナル・ティーチング・スタンダード」を開発し実用化することを目的としている。初年度である本年度は,次の研究を実施した。 1.研究代表者(土井)を室長とする「臨床教育推進室」を信州大学教育学部に開設し,同室と教科専門科目・教科教育科目・教職科目等を担当する学部教員や附属学校園・関連教育機関教職員との連携のあり方を検討した。その結果,体系的な臨床経験科目を企画・実施する体制を構築することができた。 2.LiveText社が開催したワークショップ(於:米国イリノイ州シカゴ)に参加し,教師としての成長を蓄積するティーチング・ポートフォリオの効果的な利用に関する情報収集を行った。その結果,INTASCをはじめとする米国の教師教育において用いられているティーチング・スタンダードの基本構造を分析して,日本における教員養成に適用可能なティーチング・スタンダードのあり方を検討することができた。 3.新たにティーチング・ポートフォリオ・サーバを構築し,教員養成初期段階における「臨床の知」の収集と分析を行った。また,半構造化面接法による聞き取り調査も行った結果,教職志望学生が「教育臨床基礎」を通して経験し学んだことを明らかにすることができた。 4.本研究課題に関連して,次の4件の研究発表を行った。(1)日本教師教育学会第15回研究大会:「『信大YOU遊世間』における実践的指導力の基礎の陶冶とその構造(2)」(於:北海道教育大学),(2)日本教育大学協会平成17年度研究集会:「信州大学教育学部における臨床経験科目の体系化-『臨床教育推進室』の設置を通して-」(於:弘前大学),(3)信州大学教育学部附属松本学校園公開研究会:「『教育臨床基礎』の挑戦-『臨床の知』を実現するために-」(於:信州大学教育学部附属松本小学校),(4)情報技術・教師教育学会第17回国際会議:「How to Facilitate Student Teachers' Reflection on their Introductory Fieldworks in Schools and Communities with Electronic Teaching Portfolio」(於:米国フロリダ州オーランド)
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