道徳遠隔授業をおこなった結果について連想調査などにより、2005年12月にポルトガルでおこなわれたIADIS(International Association for Development of the Information Society)のE-Commerce部門国際会議において発表するとともに、レフェリー付きの同機関誌に発表し、以下の点を論じた。発表の主眼は、授業の評価方法として、連想調査法が子どもたちの意識変容を見るために有効であるという主張にあった。 1.(対連想調査:友だち画面)児童が教育の場に参加する動機が友だちにあることを明らかにし、道徳遠隔授業において提示画面の他に第2の画面「友だち画面」を設定することを提案し、2画面による遠隔授業を実施し、児童の参加意識が高かったことを明らかにした。 2.(単一自由連想調査)3地点接続によるこの遠隔授業について、連想調査が、授業中に表出された発言に止まらない子どもたちの心の動きを明らかにし、授業のテーマ「ふるさと」に対する意識がものから人へと深まった様子を明らかにするのに適切な手法であることを見いだした。 3.(携帯電話)バーチャルな教室空間における携帯電話を使った子ども同士の個別化された対話が、本道徳授業への各人の参加を促し、子どもたちの認知において全体としてカテゴリの結びつきによる構造的変容が生じたことを明らかにした。
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