1.土浦幼稚園園児のデータ・ベース化 土浦幼稚園・小学校に関する資料調査を集中的に行った。入園日・在園期間・保育料・生年月日・族籍・授与者名簿等、約2500名のデータ・ベースを作成した。その上で、明治・大正期の土浦幼稚園所蔵の入園・退園記録から、各年度の幼児の入園時期・期間、通園地域等のデータを組み入れ、幼稚園の支持層の社会階層を分析するための基礎的な資料を用意した。(なお、調査にあたり、土浦市教育委員会・小学校・幼稚園に個人情報の機密保持について万全を期す旨、確約した調査依頼書を提出し、承諾を得た。)また、それをより深化させるために、土浦地域の政治・文化的な状況の把握を目的に、明治・大正・昭和期の地域資料を発掘し、周辺地域の幼稚園の調査をおこなった。 2.土浦小学校等の資料調査 1の成果をもとに、土浦幼稚園児の進路データの追跡のために、土浦小学校入学後の児童の状況・進路について土浦小学校所蔵の学籍簿と照合したデータ・ベースを作成した。 3.幼稚園の実物資料の総合的な調査 幼稚園の恩物・掛図をはじめとする教具および図書・写真など、実物資料の総合的な調査を、土浦市立博物館学芸員の指導協力のもと、幼稚園の保護者とともにおこない、目録を作成した。 以上の作業により、地域社会に幼稚園教育が果たした役割を明らかにするための基本資料の収集、およびデータ・ベースがほぼ完成した。また、今年度の成果をふまえ、設立120年をむかえた土浦幼稚園の記念式典(2005年11月19日)において、湯川が「土浦幼稚園の誕生と120年の歩み」と題する記念講演をおこなった。
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