研究課題
基盤研究(C)
日本の伝統音楽に関して研究を進めるとその大半が「言葉や声」を伴うことが明らかになった。さらに、近年音楽の教員免許状の取得に当りこれらの学習が義務づけられた。また、諸外国でも、音楽教育に自国の音楽を取り入れている国々が散見される。これらの状況から、日本でも将来教師として音楽を教育・指導する者にはこれらの学習が必要であるが、教員養成における実践報告はほとんどなく、その方法が確立されていないので、その基盤となる研究が必要である。本研究は、教員養成における日本の伝統音楽「声」の教材および指導方法確立の基礎となる研究である。そして、教育現場で授業に有効に活用できる日本の伝統音楽「声」の教材を開発し、その指導方法を教員養成・音楽の学生に身につけさせる学習プログラムを開発することを目指した。まず、日本の伝統音楽「声」の種目の特徴を概観し、様々な声の種目に多大な影響を与えた能楽に焦点をあて、その概要と特徴を明らかにした。次に、能楽の声楽部分「謡曲」の学習教材の曲目および学習部分について検討した。その結果、様々な謡い方のパターン(小段)の中で、強吟・一声、弱吟・次第とキリ、コトバの部分を取り上げることとした。指導方法については、体験的学習を取り入れ、初心者でも理解し易い楽譜の提示方法を工夫して取り入れた。プログラムとしては、学習可能時間を考慮し、短時間で学習できる設定を考え実施した。実践にあたり、毎回教材の提示方法、指導方法に改善を加え、実践結果を検証することを行った。その結果、次のことが明らかになった。(1)物語の内容および言葉の理解が可能になる。(2)謡曲における音楽の諸要素の多様な変化の知覚・感受・理解ができる。(3)日本の伝統音楽の特徴が理解できる。(4)謡曲の表現技術の多様な変化や微妙なニュアンスの違いも知覚・感受・理解できる。(5)図形的楽譜を利用することで、謡曲の基礎技術の習得が短時間でできる。
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学校音楽教育研究 12
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Journal of the Study of School Music Educational Practice Vol.12
北海道教育大学紀要(教育科学編) 58-1
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Journal of Hokkaido University of Education Vol.58, No.1
The Impact of Policies of the Musical Development and Education of the Future Generation
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Journal of Hokkaido University of Education Vol.57, No.1
Journal of the Study of School Music Educational Practice Vol.10