ゲーミング・シミュレーション教材「地球環境サミット」は、筆者の提案する役割体験学習論に基づき作成した環境教育教材である。学習者は、各国首脳という役柄を担当し、地球環境問題について議論するゲーミング・シミュレーションである。この教材は、教師である筆者と学生とが協同して完成させた。学すなわち、生参加型のゲーミング・シミュレーション教材という点に特色がある。地球環境問題は、様々な問題があるが、本教材では京都議定書以降の地球温暖化対策についての各国やNG0を含めた交渉の場をシミュレートしている。地球温暖化国際交渉に関する文献調査研究に基づき、場の設定、シナリオ作成、プロフィール(役柄)作成を行い、教材として作成した。教材構成は以下の通りである。 (1)シナリオ シナリオは、地球環境問題を描写するものである。現段階では以下の2つのシナリオがある。 (1)気候変動枠組条約に関する国連ハイレベル会合のシナリオ(2007年9月開催) (2)G8の北海道洞爺湖サミットのシナリオ(2008年7月開催) (2)プロファイル アロファイルは、2つのシナリオに関連させて、世界53ケ国分を作成した。これらのプロファイルには、その国の資源エネルギー状況、環境問題や環境政策などについて記されている。 この教材の実践では、2008年7月に開催される、北海道洞爺湖サミットのシナリオで実施して、「原子力発電所」をクリーン開発メカニズムに含めるべきかどうかの議論を行った。その結果については、研究成果報告書にまとめているので割愛するが、学生は自らが作成した教材を用いた実践を通して、地球環境問題やこの問題をめぐる国際関係について多角的に考察することができた。目下、学生から報告された教材の意義や課題について、さらなる硬究を展開しているところである。また、本教材のWEB版にっいては、別なプロジェクトにより、セキュリティ面の問題を解決して、秋田大学のウェブページにアップロードする予定となっている。
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