平成18年度の研究計画は、生涯を通した健康生活のための学習支援について検討するため、1つには高齢者を対象とした生活意識・実態調査の実施、2つめには大学生を対象に小・中・高校を通した家庭科の回想調査を実施することであったが、当初の予定に加え、平成12年に実施した日本・台湾・アメリカの家庭科及び健康教育に関する比較調査の再分析を行うと共に、台湾の初等教育における生活教育の調査も行った。具体的な実施内容は以下の通りである。 1、高齢者を対象とした調査 平成17年に高齢者を含めた成人男女を対象に、日常の生活に関する意識・実態を調査したが、18年度は「60歳以上」の高齢者に着目し、彼らの生活実態、学習実態、学校教育への意見等を「59歳以下」の者と比較しながら分析した。これらの結果は以下に執筆した。 ○浜島京子・鈴木裕美子「生涯を通した健康で豊かな生活に関する検討-「60歳以上」の方の生活及び学習等の実態に着目して-」、福島大学生涯学習教育研究センター年報第12巻、pp.27-34、2007(平成19).3 2、大学生を対象とした小・中・高校家庭科の回想調査 平成18年4〜6月にかけて国立教員養成系3大学の大学生420名を対象に、家庭科の好嫌度、必要度、学習によって得たこと、今後必要な内容、家庭生活状況等の調査を実施した。これらの主な結果は、平成18年12月の日本家庭科教育学会例会で口頭発表した。なお、平成18年12月に教員養成系以外の大学生308名を対象とした追加調査を実施し、現在比較分析を進めている。 3、日本・台湾・アメリカの家庭科及び健康教育の比較調査における再分析 表記再分析の結果は以下に執筆した。 (1)浜島京子・冨田美恵子・黒川衣代「『家庭科』、『健康教育』の教科観及び生活実践状況-福島及びオークレアの中学生の比較-」、福島大学総合教育研究センター紀要創刊号、pp.89-96、2006(平成18).7 (2)浜島京子・冨田美恵子「日本の中学生の生活実態及び教科観にみる家庭科教育の課題-台湾及びアメリカの中学生との比較を通して-」、日本家庭科教育学会東北地区会「東北家庭科教育研究第5号」、pp.19-32、2006(平成18).10 4、台湾の初等教育における生活教育の調査 平成19年2月に台湾中歴市の小学校及び台東市の台東大学を訪問し、生活教育に関わる資料等を収集した。
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