研究概要 |
本研究は,研究代表者がこれまで進めてきた,久保貞次郎の美術教育論に関する研究と鑑賞教育(創造美育運動において軽視されたもの)に関する研究をふまえ,我が国における児童中心主義(創造主義)の美術教育の実態や戦後美術教育に与えた影響について,創造美育運動を中心に実証的に明らかにし,合わせて,表現活動の偏重と鑑賞活動の軽視という我が国の美術教育が抱える構造的な問題を解決する方策を探ることを目的とするものである。 最終年である平成19年度は,以下の内容について研究を進めるとともに,施設・設備の充実を図った。 (1)創造美育運動の実態及び欧米における児童中心主義の美術教育に関する調査 欧米における児童中心主義の美術教育の動向を,第2次大戦後の美術教育に国際的大きな影響を与えたヴィクター・ローエンフェルドの美術教育論の分析を通して明らかにするとともに,創造美育運動を通じて展開された我が国における児童中心主義の美術教育の特色を明らかにした。 (2)平成19年度における研究成果の公開と3年間にわたる研究成果のまとめ (1)上記(1)の研究成果を,学部紀要において誌上発表するとともに,第30回美術科教育学会群馬大会にて口頭発表を行った。 (2)3年間の研究成果を報告書にまとめ,公開した。 (3)施設・設備の充実と改善 研究に必要な書籍の収集を行うとともに,データ処理及び報告書の作成に必要なソフトを購入し,研究環境の改善を図った。
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