研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、我が国の学校教育において多様に実践されている「文化学習」の現状を調査・分析し、複雑な教育パターンを類型化・体系化し、具体的な教材を開発・実践することによって、今日のグローバル社会における「文化学習」の教育的意義と可能性を究明することを目的としている。研究内容と成果は、以下のとおりである。1.中欧の主要都市(ウィーン、プラハ、ブタペスト、ベルリン、ドレスデン、ポツダム)の文化、歴史、美術、町並、世界遺産についての現地調査を行い、博物館所蔵資料・史料のリスト、関連書籍、スライド等を収集し、グローバル社会における「文化学習」の教材化のための基礎的な研究を行なった。2.ドイツの基礎学校において「文化学習」を担う教科「事実教授」の目標・内容・方法について歴史的・体系的に分析・考察した。また、バイエルン州及びバーデン・ヴュルテンベルク州の学習指導要領、教科書を収集分析し、小・中学校における「文化」に関する学習の実情とその特色〈総合性〉と教育的意義を明らかにした。3.我が国の子どもの社会意識から見た社会科教育の課題(学習意欲の減退、自立性の育成、規範意識・公共意識の鈍化)を示し、その解決の方途として、人間力の育成、子どものニーズの把握、他者の視点と自己決定の機会づくりの3点を提案した。4.「文化学習」の基底をなす市民性・公共性の育成に関する中学校社会科の実践的研究を行った。一方では、子どもの社会意識の諸相の観点と、他方では、大人の子どもの教育への期待と〈まなざし〉の観点から今日の教育課題である市民性と公共性の育成の問題を抽出し、市民社会組織との協働・連携を図り、ローカルマニフェストを活用したシティズンシップ教育の実験授業を構想し、桶川市立加納中学校で実践した。
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埼玉大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 7号(印刷中)
Journal of Integrated Center for Clinical and Educational Practice No.7
埼玉大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 6号
ページ: 115-138
Journal of Integrated Center for Clinical and Educational Practice No.6
TOSHIND PUBLISHING CO., LTD
ページ: 396