研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、国民学校期(昭和16〜22年)を含む昭和10年代の音楽教育の歴史を、特定の事例研究をとおして読み直し、当時の音楽授業実践の諸相を明らかにすることである。3年間の研究期間の中で、一つには制度に最も近いところにある事例として東京高等師範学校附属小学校・国民学校の音楽授業の実際を検討し、一方では長野県における一つの事例として飯田市座光寺小学校および上郷小学校に焦点をあてて事例研究を推進した。長野県での調査は飯田市にくわえて、上田市、伊那市高遠町における調査も並行して実施している。本研究の意義と成果として、(1)唱歌科から音楽科への学習領域拡大において、制度に先がけて学校現場の実態が領域拡大を準備した様相を明かにした点、(2)音楽教育の実践史を、国・県・地域音楽教育研究会・各学校という多層的な視点からとらえる研究方法を提示した点、(3)学校日誌など各学校所蔵資料(史料)にもとづき、かつ当時の子どもたち(卒業生)へのアンケート調査とインタビュー調査によるデータを駆使した音楽教育史の研究方法の確立に向けて研究を進めた点、以上の3点を指摘できる。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)
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