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2006 年度 実績報告書

「学級崩壊」の抑止に資する、授業過程における教師の統制行動に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17530640
研究機関東京学芸大学

研究代表者

山田 雅彦  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30254444)

研究分担者 林 尚示  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10322124)
キーワード学級崩壊 / 私語・不規則発言 / 教師の統制行動 / インプロ / フォーカス
研究概要

平成17年度に収集した授業中の会話記録を、会話分析の手法を用いて分析し、下記の知見を得た。
授業中の教師の統制行動は、12のカテゴリーに分類可能であった。これらの統制行動は、「インプロ」と呼ばれる即興劇の一種で用いられている、「フォーカス(注目の対象)」という概念に着目することで、下記の二つの基準によって四つに大別できた。
(1)フォーカスの割れた現状の認識:現在相対的に優勢なのは教師のフォーカスか、児童生徒のフォーカスか。(2)優先されるフォーカスの選択:児童生徒にフォーカスの放棄を求めるか、児童生徒のフォーカスを教師も共有するか。
この結果、児童と短時間の雑談に興じるなど、一時的に私的行動を容認するタイプの統制行動を、「児童のフォーカスが優勢な場面で、教師が自分のフォーカスを手放す」という原理によるものと位置づけることができた。また、その有効性について、「教師自身が児童のフォーカスに積極的にかかわる(フォーカスに入る)ことで、教師の存在や意図を児童に強く印象づけることができるとともに、教師は会話の当事者として自分から話題を変更できるから」とする仮説を示した。この種の統制行動は、経験的に有効性が広く知られていながら考察の対象になってこなかったものであり、本研究の知見により、このような統制行動に理論的な根拠づけを与えることができた。
これらの知見は、二度の口頭発表(日本学校教育学会第21回研究大会・日本教育方法学会第42回大会)を経て、雑誌論文「授業過程における教師の統制行動に関する実証的研究一フォーカス概念を手がかりとして一」として刊行された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 授業過程における教師の統制行動に関する実証的研究 -フォーカス概念を手がかりとして-2006

    • 著者名/発表者名
      山田雅彦
    • 雑誌名

      教育方法学研究(日本教育方法学会編) 32巻

      ページ: 1-12

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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