本研究は、ものや場、記号や道具を媒介にして、これらをつくり変えながら他者と協同で行う学習活動の臨床的生成過程を相互行為分析することにより、児童・生徒の学習過程における意味を形成する活動単位を明らかにした。また、この活動単位に基づいた学習活動の組織化と活動の臨床的支援の在り方に関して、以下の結論を得た。 (1)学習場面の児童・生徒の活動単位は、ものとの相互作用、他者との相互作用、自己の活動や経験や志向との相互作用の3層とかかわり合いながら、文化的関係、社会的関係、行為的関係を相互形成するの在り方をしている(平成17年度、18年度)。 (2)各教科等の学習の活動は、もの、他者、自己との多層的で循環的な相互作用をもつ活動を最小単位として成立している(平成18年度、19年度)。 (3)意味形成の活動単位に基づく学習の活動の組織化と臨床的支援は、各教科等の活動特性に応じ、もの、他者、自己との多層的で循環的な相互作用が連続的に子どもの活動に生まれるよう、ものや場、記号や道具を媒介にしてこれらをつくり変えながら他者と協同で行う学習活動を総合的にデザインすることが有効である(19年度)。
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