現在、主として土素材領域に関しては、富山大学人間発達科学部附属幼稚園(富山市)、同朋幼稚園(滑川市)、藤陰幼稚園(金沢市)に、粘土質の川土を約10t設置することによって広がる土遊びについて、含有水分量の観点から資料収集及び整理をするとともに、泥を使った泥染め、泥遊びの発展としての土粘土を使った素焼き(野焼き)を実施し、教材化に向けての事例的研究を行った。 同時に上記2園に関しては、園庭の環境に、先の粘土質の土に加え、赤土、黒土等、色彩の異なる土を約1tずつ配置し、その中で展開される幼児の土遊びに関して事例研究を行った。この保育環境は、子どもたちの予想以上の多彩な遊びが展開され、教材化への多くの示唆を得た。 植物素材領域に関しては、下東条中央保育園(兵庫県小野市)を主たる対象園として、苺、コスモス、芋などを利用したジュース、ジャム、クッキーなどの食に関わる染食の原体験が幼児の染色体験を活性化する上で意義深い活動であること、草木染めを使用した手作り遊具が、総合的な遊びへと発展する可能性を持っていることに関する示唆を得た。 木素材領域に関しては、主として、山野保育所(南砺市)で取材された不定形木片の資料を、(1)感覚的遊び、(2)想像的遊び、(3)造形遊び、(4)ゲーム的遊び等の内容ごとに整理、分類し、教材化における意義と妥当性に関して検討する作業を進めている。
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