土素材領域においては、滑川市早月川上流、金沢市手取川中流よりそれぞれ採取された粘土質土をサンプリングし、幼児の土遊びが活発になった土環境を、(1)土素材に関する粒度試験、及び(2)含水比試験を実施することによってその特徴を明らかにし、幼児に望ましい土環境についての考察を行った。 結果的には、幼児は極めて微量の水分量(数%)を変化させることで多彩な造形的遊びを展開している点が明らかにされた。この点については、今後の幼児の土に関する保育環境を考える上で大きな示唆があらわれたと考えることが出来る。 植物素材領域においては、兵庫県における保育園において、身の回りの自然環境に生息する山桃、赤ジソをもとにした色遊び、栽培した藍の生葉や地元の土による土染めによる絞り染め等を行い、子どもたちの反応を観察し、幼児がどのように自然の色彩を受け止めるかを明らかにした。そのことを通じて幼児に望ましい自然環境のあり方について考察した。 木素材領域については、不定形木片をもとに展開された遊びの分類を、(1)主として感覚遊び、(2)想像的な遊び、(3)造形遊び、(4)ゲーム的遊びの内容ごとに分類、整理し、不定形木片の教材化をおこなった。
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