本研究では、環境教育の一環として、幼児期における自然素材を生かした教材の開発を行った。 対象とした素材は、(1)木素材領域、(2)植物素材領域、(3)土素材領域の3領域である。(1)の領域では、富山県井波町において、欄間製作において排出される不用材を使った教材化を行った。(2)の領域では草木染めに着目し、幼児が日常的に出会う植物をもとにした草木染めの教材化を行った。(3)の領域では、河川の不用土とされる粘土質土に着目し、その粘土質土を用いた保育環境を、「ねんど場(nendoba)」と名付け、その意義と可能性を明らかにした。一連の研究を通じて、(1)日常的に不用とされる自然素材に含まれる保育教材べの可能性、(2)自然素材の値打ちを感じる幼児の感性の豊かさを明らかにすることができた。自然素材を生かした、保育環境への実用化が今後の課題である。
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