研究概要 |
本研究では,子どもの社会認識発達に関する実証的データの収集と発達に基づく小学校社会科授業モデルを開発することを目指し,以下の3点を研究目的として設定した。 (1) 子どもの社会認識発達に関する量的・質的調査を行い,子どもの社会認識の発達の様相及び認識・発達のメカニズムとその条件を明らかにする。 (2) 社会認識発達を促進する条件及び指導方略について実験授業を通して明らかにする。 (3) (1)(2)の研究成果に基づき,発達に焦点をあてた社会認識形成の基礎理論を実験・実証的に検討しながら,子どもの社会認識発達を促進(形成)する社会科授業モデルを開発する。 本年度は,上記研究目的のうち,特に(2)(3)に対応した研究を進めた。具体的には以下のような研究を行った。 (1) これまで行った国内外の先行研究と発達調査の分析,及び社会認識形成に関する実験的授業の結果分析を通して,発達に焦点をあてた小学校社会科の授業構成に関する基本的な考え方を授業仮説として設定した。 (2) 小学校社会科学習において教材となりうる事例や資料を収集し,仮説をふまえた授業計画案を作成し,授業計画案にもとづいて,単元レベルの実験的授業を行った。 (3) 実験的授業の結果を批判的に分析・検討し,小学校第3,4,5,6学年の社会科授業モデル案を作成した。 (4) 研究成果を学会において発表し,意見をもとに授業仮説及び社会科授業モデル案の吟味・修正をはかった。 (5) 三ヶ年の研究をまとめ,研究成果報告書を作成した。
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