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2006 年度 実績報告書

中学生・高校生の「論じ方」-反論文の分析とインタビューによる発達段階調査-

研究課題

研究課題/領域番号 17530674
研究機関早稲田大学

研究代表者

佐渡島 紗織  早稲田大学, アジア太平洋研究科, 講師 (20350423)

キーワード論じる / 中学生・高校生 / 発達段階 / 事例を挙げる力 / 事例を括る力 / 分類する力
研究概要

平成17年度には、「事例を挙げる力」を対象とした発達段階調査を行った。東京都内にある渋谷教育学園中学高等学校の生徒、中1(210人)中3(227人)高2(216人)、計653人にB4表裏の問題を解かせ、解答を分析した。(調査紙は、2004年11月、12月に作成し事前調査の上、修正をした。)解答分析の結果、「事例を挙げる力」は学年で大差はないが「事例を思いつく力」は学年が上がるにしたがって伸びていた。低い学年では、事例を思いつかず空白のまま提出した生徒が多かった。上級生は、直接や間接の体験から事例を思い出したり体験を修正したりしていた。平成18年度には「具体例を括る力」と「分類する力」の調査を行った。同校の生徒、中1(197人)中3(170人)高2(188人)、計555人にB4表裏の問題を解かせ、解答を分析した。(調査紙は、2005年4月、5月に作成し事前調査の上、修正をした。)結果は次の通りであった。「事例を括る力」は上級生ほど正解者の率が高かった。特に括る文を記述させる問題では学年差が顕著であった。「事例を挙げる力」と「事例を括る力」では、どの学年も事例を挙げる方が低かった。また、学年が上がるにつれて双方の差は縮まっていた。「事例を括る」思考は、問題文の適切な読解、共通点の網羅、括る文の表現という一連の過程を経る思考であるため、「事例を挙げる」思考よりも学年差が出たものと推測される。「分類する力」も、学年が上がるにしたがい正解者の率が上がった。
全体では次の点が明らかになった。抽象度の上げ下げに関する言葉使用の力は、中学高校で飛躍的に伸びる時期があるわけではない。しかし上述のような学年差は認められた。「論じ方」は概念操作に留まるものではなく、日頃からの知識の蓄積と転用が大きくかかわっている。時事問題や身の回りの事柄を主体的に捉え検討する力が大きくかかわる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 適切な事例を読み取る力・書く力-中学高校における発達段階調査2006

    • 著者名/発表者名
      佐渡島紗織, 大貫眞弘
    • 雑誌名

      全国大学国語教育学会第110回大会発表要旨集

      ページ: 203, 206

  • [雑誌論文] 事例を括る力-中学高校における発達段階調査2006

    • 著者名/発表者名
      佐渡島紗織, 大貫眞弘
    • 雑誌名

      全国大学国語教育学会第111回大会発表要旨集

      ページ: 169, 172

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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