• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 研究成果報告書概要

中学生・高校生の「論じ方」-反論文の分析とインタビューによる発達段階調査-

研究課題

研究課題/領域番号 17530674
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教科教育学
研究機関早稲田大学

研究代表者

佐渡島 紗織  早稲田大学, 国際教養学術院, 客員講師(専任扱い) (20350423)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
キーワード論じ方 / 発達段階 / 事例を挙げる / 事例を括る / 抽象度 / 反論 / 中学生 / 高校生
研究概要

言葉使用に際して抽象度の上げ下げが要求される読み書き能力について、三つの調査を行った。(1)反論する際に事例をどのように挙げるか、(2)与えられた命題に対して事例をどのように挙げるか、(3)与えられた複数の事例をどのように括るか、の三つである。対象は、渋谷教育学園中学高等学校の生徒(各調査で、263人、653人、555人)である。最初の調査のみ早稲田大学第一文学部の学生(49人)も対象にした。中1と中3と高2の学年で比較をした。平成17年4月5月に反論文を書かせ、挙げた事例の頻度、その事例の妥当性という観点から学年比較を行った。平成18年1月には、調査紙に記入させ、適切な事例を挙げる力の学年比較を行った。平成18年5月には、調査紙で事例を括る力の学年比較を行った。
(1)の、反論する際に事例をどのように挙げるかを調べた調査では、各生徒が論点総数に対して挙げている事例の頻度は、中学生から大学生まで変わらなかった。しかしその事例が主張と合っているかをみると、中1では半数の生徒が不適切であった。上級生ほど時事問題を取り上げることも分かった。
(2)の、命題に対して事例をどのように挙げるかを調べた調査では、適切な事例を挙げる生徒の割合は学年で大きくは変わらなかった。しかし誤答に着目すると、中1では思いつかないための空白が多かった。(3)の、事例をどのように括るかを調べた調査では、正解者の率は上級生ほど高かった。しかし上級生では、括ることに加えて自分の意見を書き足している解答が目立った。
認知心理学では抽象度の上げ下げ能力は9歳半で確立しその後は個人差による違いとなると述べられているが、詳しくみると学年による差は中学、高校、大学でも明らかになった。「論じ方」は概念操作の問題だけではなく、経験の蓄積と転用の力、状況把握による抽象度の調節能力などが大きく関係することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 適切な事例を読み取る力・書くカ-中学高校における発達段階調査2006

    • 著者名/発表者名
      佐渡島紗織, 大貫眞弘
    • 雑誌名

      全国大学国語教育学会第110回大会発表要旨集

      ページ: 203-206

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 事例を括るカ-中学高校における発達段階調査2006

    • 著者名/発表者名
      佐渡島紗織, 大貫眞弘
    • 雑誌名

      全国大学国語教育学会第111回大会発表要旨集

      ページ: 169-172

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Tekisetsuna jirei o yomitoru chikara kaku chikara : Chugaku koukou ni okeru hattatsu dankai chousa.2006

    • 著者名/発表者名
      Sadoshima Saori, Masahiro Onuki
    • 雑誌名

      Zerikoku Daigaku Kokugo Kyoiku Gakkai 110 Taikai Happyou Youshishu

      ページ: 203-206

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Jirei o kukuru chikara : Chugaku koukou ni okeru hattatsu dankai chousa.2006

    • 著者名/発表者名
      Saori.Masahiro Onuki
    • 雑誌名

      Zenkoku Daigaku Kokugo Kyoiku Gakkai 111 Taikai Happyou Youshishu

      ページ: 169-172

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 事例を挙げて論じる-中学・高校・大学生が書いた反論文の分析2005

    • 著者名/発表者名
      佐渡島紗織, 大貫眞弘
    • 雑誌名

      全国大学国語教育学会第108回大会発表要旨集

      ページ: 166-169

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Jirei o agete ronjiru : : Chugaku, koukou, daigakusei ga kaita hanronbun no bunseki.2005

    • 著者名/発表者名
      Sadoshima Saori. Masahiro Onuki
    • 雑誌名

      Zenkoku Daigaku Kokugo Kyoiku Gakkai 108 Taikai Happyou Youshishu

      ページ: 166-169

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 2008-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi