1 研究協力を申し出た児童生徒50名(小学生〜高校生)に対して、ディスレクシア特徴チェックリストと複雑図形の記銘再生・文字読み速度・イラスト呼称速度・音韻操作課題等を実施した。小学校123年、小学456年、中学以上の3群に分けて分析をおこなったところ、小学校低学年においてディスレクシア特徴該当数(4歳〜1年生)と平仮名一文字・有意味語・無意味語の読み時間との間に比較的強い正の相関が見られた。また、小学456年生では、該当項目数と無意味語の読み時間においてのみ比較的強い正の相関が見られた。一方、モーラ抽出・Rey複雑図形記銘再生の成績との間には相関が認められなかった。読み障害では、仮名→文字想起および音韻統合上の問題の存在が示唆された。 2 英語学習困難を訴えた中学生と健常中学生に対して、1)フォニックスによる英単語読み指導、2)平仮名(一文字・有意味語・無意味語)イラスト読み、モーラ抽出課題、3)漢字読み書き課題、4)視覚認知課題等を実施した。学習困難群および健常中学生の英語成績中・下位群で、英単語の読み成績が向上した。また、スペルについては、学習困難群で成績の向上がみられた。無意味語読み時間は、健常群においては英語学業成績が上位・中位・下位となるにつれて増加傾向が見られた。英語学習困難群にとってはフォニックス指導が読み書きともに有効であること、英語学習成績と平仮名無意味語読み成績の間の関係が示唆された。
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