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2006 年度 実績報告書

重症心身障害児(者)における情動モニタリングに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17530684
研究機関筑波大学

研究代表者

竹田 一則  筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (90261768)

研究分担者 山口 昌樹  富山大学, 理工学研究部, 助教授 (50272638)
キーワード重症心身障害児(者) / ストレス / 唾液アミラーゼ / 医療・福祉 / 特別支援教育
研究概要

平成18年度は情動の評価が困難な重症心身降害児(者)に対し、生理的指標、特に唾液アミラーゼ活性値の変化を用いて客観的にそれをとらえ、不快なストレス軽減を目的とした「スヌーズレン」などに代表される療育活動に際する、重症児(者)にとっての快適なストレスであるeustressの評価を客観的に行うことの可能性および有用性を検証することを目的とした。本研究の結果、以下の5点を明らかにすることができた。1.重症心身障害児(者)のスヌーズレンにおける唾液アミラーゼ活性値は、スヌーズレン試行中に有意に低値を示した。また、スヌーズレンを介した唾液アミラーゼ活性値の変動は、スヌーズレン開始前からスヌーズレン試行中において低下し、スヌーズレン終了後には、スヌーズレン開始前の唾液アミラーゼ活性値に近い値まで上昇するという変動パターンであった。2.重症心身障害児(者)めスヌーズレンにおける心拍数は、スヌーズレン試行中に有意に低値を示していた。スヌーズレンを介した心拍数の変動は、唾液アミラーゼ活性値の変動パターンと類似しており、スヌーズレン開始前からスヌーズレン試行中において心拍数は低下し、スヌーズレン終了後には、スヌーズレン開始前の心拍数まで戻るという変動パターンであった。3.スヌーズレンを介した唾液アミラーゼ活性値の変化率の方が、心拍数の変化率よりも大きかった。4.スヌーズレン揚面において、唾液アミラーゼ活性値が重症心身障害児(者)のeustress状態を反映していた。5.スヌーズレンというeustressを惹起させる介入の効果が、生理的指標である唾液アミラーゼ活性値の変動により反映されることが実証された。本人から表出される情報が極めて少ない重度の障害児(者)の心的状態の評価において,本研究で得られた結果は療育や教育の現揚において、その介入効果を評価する上での有用性が期待でき、その応用は重症心身障害児(者)のQOLの向上に資するものと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 重症心身障害児(者)における医療処置に伴うdistressと唾液アミラーゼ活性値との関連に関する検討2006

    • 著者名/発表者名
      竹田一則, 大西美恵子ほか
    • 雑誌名

      日本重症心身障害学会雑誌 31・1

      ページ: 85-92

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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