研究課題/領域番号 |
17530688
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
大伴 潔 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 教授 (30213789)
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研究分担者 |
林 安紀子 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 准教授 (70238096)
橋本 創一 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 准教授 (10292997)
菅野 敦 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 教授 (10211187)
池田 一成 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 准教授 (50293006)
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キーワード | 言語発達 / コミュニケーション / 評価 / 発達障害 / 言語能力 / 特別支援教育 |
研究概要 |
本研究は、子どもコミュニケーション場面や学習場面で自己実現するために必要なスキルを包括的に把握する言語・コミュニケーション評価ツールを開発し、教育現場に適用することを目的としている。これまでに、「言語理解」「言語表出」「コミュニケーション」領域について定型発達児から集積したデータに基づき、発達段階の指標として適切な課題(加齢に伴う通過率の増加が確実なもの)を抽出した。今年度は、生活年齢18歳以下の発達障害児(知的障害児、知的障害を伴う広汎性発達障害児、高機能広汎性発達障害児などの計144名)を対象に、言語発達年齢と田中ビネー知能検査Vによる精神年齢(MA)との関連を検討した。その結果、全対象児者のMAと言語発達年齢との間に高い正の相関が認められた(r=0.89,p〈.05)。また、障害種別ごとや、7歳以上のみを対象とした検討でも、高い相関が見られ、知的発達の遅れがある幼児・学齢児・者に対して有用性が確認された。なお、多くの対象児でMAの方が言語発達年齢よりも高く、両者の差異を求めると、MAはダウン症群で平均10ヶ月、知的障害を伴うPDD群で13.4ヶ月高いことが明らかになった。田中ビネー知能検査は言語を要しない視覚・運動課題が含まれており、言語に難しさがある対象児者の場合、これがMA全体を高めている可能性が考えられた。
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