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2005 年度 実績報告書

人工内耳装用児の聴覚情報処理能力の発達に及ぼすコミュニケーション様式の長期的影響

研究課題

研究課題/領域番号 17530694
研究種目

基盤研究(C)

研究機関愛媛大学

研究代表者

高橋 信雄  愛媛大学, 教育学部, 教授 (70132719)

キーワード人工内耳 / 人工内耳装用児 / 聴覚情報処理能力 / コミュニケーション様式 / 長期的影響 / コミュニケーション能力 / 言語能力
研究概要

手指コミュニケーションを中心とする聾学校に在籍しているA,C児と聴覚コミュニケーションを中心とする通常小学校に在籍しているB,D児(いずれも現在小1〜2年)を対象に聴取能・発語明瞭度・語彙の関連を検討した。対象児は、両群間で条件が等しくなるようにバランスをとり、4名とした。うち、A,B児は内耳形成不全であった。検査は、聴取能(CI-2004)、発音の評価、語彙検査を行った。聴取能を比較したところ、通常小学校の聴覚環境下にあるB児(内耳形成不全、使用電極数16本、装用後3年10月)は、単語80%、2語文64%、3語文72%であった。D児は、いずれも100%に近く天井効果を示していた。一方、聾学校の手指環境下にあるC児(内耳形成正常、使用電極数20本、装用後5年4ヶ月)は、単語60%、2語文66%、3語文検査不能であった。内耳形成不全のA児はさらに成績が悪かった。このように、日常的なコミュニケーションへの聴覚の関与が成績の著しい差をもたらしたものと考えられた。聴覚を意識しない場合、相手がわかる場合にはより容易な手指コミュニケーションへと移行してしまったものと考えられた。一方、手指は併用するものの、聴覚口話が主体の児童の場合、聴取能、発音、語彙のいずれも高い評価得点であった。日常的なコミュニケーションモードやコミュニケーション環境の影響が著しいことが明らかとなった。この他、人工内耳装用後1年半の幼児も観察してきた。コミュニケーション時に意図的に聴覚を利用し、音声表出を誘導しない場面(幼稚園の保育場合)などでは、音声表出が見られない手指コミュニケーションに終始していた。しかし、大学の指導場面では、音声も同時的に使用していたが、明瞭度が十分でなく状況がわからないと内容がほとんどつかめない状態であった。以上のように、意図的なコミュニケーションモードの使用が、人工内耳の使用を促進する上でも大切なことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 高齢人工内耳装用者のリハビリテーション2005

    • 著者名/発表者名
      高橋信雄, 高橋眞由美
    • 雑誌名

      第50回日本音声言語医学会学術講演会予稿集

      ページ: 64

  • [雑誌論文] 先天性聴覚障害児の人工内耳装用後の聴取能力と表出の変化2005

    • 著者名/発表者名
      高橋信雄, 中元哉江
    • 雑誌名

      日本聴覚障害教育実践学会第8回大会発表論文集

      ページ: 11-16

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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