研究課題/領域番号 |
17530700
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
青木 和子 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (30269287)
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研究分担者 |
加藤 宏 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (50177466)
長岡 英司 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (30227996)
小林 真 筑波技術大学, 保健科学部, 助教授 (60291853)
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キーワード | 視覚障害 / 英語学習 / 学習支援 / コンピュータ / 認知心理 / リスニングテスト |
研究概要 |
本年度は以下の項目について実証研究を継続し、結果の分析及び必要と思われる改善を行った。 (1)視覚障害者用英語基礎能力診断テストの開発と評価 ・単語認知力測定テスト:ペーパー版とPC版のテスト結果を比較すると全般的にはペーパー版の方が認知速度が速い傾向が見られたが、障害の状態やPCへの慣れの問題が結果に影響を及ぼすと考えられる。認知速度を上げる練習としては、オリジナル英語読み上げソフトreadKONを活用することで正確な発音を習得するとともに、認知速度が格段に上がることが実証された。 ・語彙サイズテスト:オリジナルソフトkobaTESTについてテストの基盤となる語彙リストをより信頼性の高いものに入れ替え、英語能力判定の一部として指導プログラムに導入した。このソフトは語彙リストを自由に入れ替えることができるため、一定の専門分野に関する語彙リストを作成し、学習前後に語彙力を判定することによってその成果を確認するなどの活用が可能である。全盲者への対応が今後の課題である。 (2)リスニングテストに関する実証的研究 昨年度からの継続で主に点字使用者を被験者としてデータ収集を行いその結果を分析した。回答の形態については一律に時間を2倍にする方式と、回答者が時間を制御できる方式についての比較を行ったが、それぞれに利点と欠点があり一方の有利性は実証されなかった。問題形式としては、問題・選択肢ともに音声で提示される方式が回答者にとっては最もストレスが少なく、また正解率が高かった。 (3)今年度の新たな取組として、長文スピーチ原稿の読みの練習としてreadKONや新たに導入した日英スクリーンリーダなどを活用した。実験的なデータではないが、学習者はPC相手に納得のいくまで練習を繰り返し、今までにない質の高い発表成果をあげた。視覚障害により新単語の読みの習得や読みの速度を上げることに大きな困難を覚えていた学習者にとってこの自立的学習法の有効性が実証された。
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