1.大学における障害学生の就労支援について、訪問調査により、実施状況・実施内容を検討した。ほとんどの大学において、障害学生への特別な就労支援は行なっていないとの回答を得た。健常学生と同様に、相談にくれば対応するということであったが、障害者の採用を希望している企業等のリストがあるわけではなく、話を聞き、ハローワークなどを紹介して返すということであった。 2.「障害学生修学支援体制の整備と支援コーディネーターの役割に関する研究会」を立ち上げ、学内の修学支援体制と就職支援体制についての検討を行なった。大学として障害学生の問題にどう関わるかについて、そのキャンパスライフの面では、次の三つのポイントがある。一つは、大学に入学する際の入試の問題。それには下宿を探すのも大変というようなことも伴う。二つには、「期末試験」。授業のところもいろいろと問題があるし、サークルなどの課外活動や、アルバイトなどの問題もあるが、結局は、単位が取れなかったというところで決定的になる。三つ目は、卒業とも関係した就職や進学などの「進路の問題」。工学系の学生は研究室を経由しての採用ということもあり、比較的就職しやすいが、文科系の障害学生は面接までいくのが難しい。しかし有効な支援方法は見つかっていない。 3.障害学生のインターンシップを行っている短期大学を訪問し、聞き取り調査を行った。この短大では、障害の有無に係わりなく、インターンシップを行なっているが、教務担当教員のつてにより、インターンシップ先を開拓している。障害学生についても同様である。更にインターンシップ先企業も訪問し、その内容や方法について聞き取り調査を行った。まだまだ、個別対応であり、大学の組織的な動きは見られない。
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