本年度の研究成果は以下の通りである。 1.足立区(日本)における「家庭的保育」をめぐる保育行政と現地調査:イギリスの家庭的保育の査察官であるケイ・クロスを招いて、足立区内の保育ママの保育の実際を観察・インタビューを実施、さらに、3歳未満児の保育所の実態観察、区役所職員に対するインタビューを実施した。調査内容に関しては、現在考察中である。一部、聖徳大学児童学研究所紀要に発表した(椨)。 2.保育所における3歳未満児の生活調査(倉敷市、札幌市):「家庭的保育」における生活の質を検討するために、保育所の3歳未満児の生活の観察を実施した。特に担当制を実施し、その取り組みが評価されている園における保育観察とインタビューを実施した。この部分に関しては、保育と実践の研究に発表した(阿部)。 3.イギリスにおける「家庭的保育」をめぐる保育行政と「家庭的保育」に関連する施設調査:ロンドンとその周辺のデイ・ナーサリーとナーサリースクール・プレイグループ、小学校のレセプションクラスの実態観察とインタビュー、さらに、チャイルドマインダーの「家庭的保育についての意識」に関する聞き取り調査を実施した。調査の成果については、資料分析の作業中である。 3.足立区における「施設保育」の3歳未満児の実際調査(昨年):3歳未満児の生活する場所としての「家庭的保育」のあり方や保育の質の検討をするために、施設保育(保育所保育)の実際についてアンケート調査を整理した。また、足立区内の保育ママに実施した「家庭的保育」に関する調査結果を分析中である。5月の第60回日本保育学会に発表予定である(阿部)。
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