研究課題
基盤研究(C)
本研究は、日英の家庭的保育施策の比較を行いながら、日本の保育課題の解決に有用な視点や調査資料を提供すると共に乳幼児の最善め利益の実現という観点から「家庭的保育の可能性」を探求し、それを保育者養成のカリキュラムの中にい続けることを目的として行われた。目的を達成するために、おおよそ2000年代の日英の保育施策の流れを調査したが、日英共に、家庭的保育をめぐる動きが激しく動いている最中で、特にイギリスの動きが激しく、比較するまでには至らなかった。しかし、家庭的保育(チャイルドマインディング)が法的に位置づけられ、その評価をめぐる現場の動き(Ofsted、NMCA、チャイルドマインダーを統括する部局、チャイルドマインダーの意識など)をその変化の中である程度捉えたことが成果としてあげることができる。また、日本においても、家庭的保育が少子化対策の一環として検討され始め、20年には法的に位置づけられることになった。それにいたる、国の動きや東京都の動き、実際に調査をしたX区の動きなど施策面から整理し、実際に調査をしたX区については、区の相当課長や実務担当者へのインタビューから現状と課題を整理することができた。日英の比較存難しくしたもう一つの要因は、同じく、家庭的保育者(チャイルドマインダー)のその家庭における保育であるが、日英の家庭的保育を比較する前提としての文化的な背景についての調査が不十分であり、今後の検討課題となった。当初、目的としたことのすべてを明らかにすることができなかったが、本研究の独創的な成果は、イギリスにおけるチャイルドマインダーの現場を観察し、インタビューを試みたところである。また、日本においてもX区の家庭的保育の現場の観察とインタビューを試み、家庭的保育を提供する当事者の視点から整理できたことである。評価に関しては、先進国のイギリスのOfstedの現役の査察官とともに、日英の家庭的保育(チャンルドマインディング)の現場を視察し、同じ場面を共有しながら意見交換できたことである。本研究に残された課題の一つは、日本における家庭的保育をどのように評価するのか。そこにおいて、Ofstedの評価方法がどのように参考になるのか。第二点は、当初予定していた保育士養成課程の中に家庭的保育者の養成をどのように位置づけるのか、そのカリキュラムはどのようなものが必要かという大きくは2点である。
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聖徳大学紀要短期大学部研究紀要 第41号
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保育の実践と研究 Vol. l2, No. 4
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大妻女子大学こども総合研究-児童学科40周年記念誌 第1巻
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Bulletin of Child Study- 40^<th> Anniversary of Department of Child Study-, Otsuma Women's University
Bulletin of the Junior College, Seitoku University Vol. 41
聖徳大学紀要短期大学部研究紀要 第40号
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Bulletin of the Junior College, Seitoku University Vol. 40