研究課題/領域番号 |
17530703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 常磐会短期大学 |
研究代表者 |
糠野 亜紀 常磐会短期大学, 幼児教育科, 講師 (60342268)
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研究分担者 |
卜田 真一郎 常磐会短期大学, 講師 (20353021)
新谷 公朗 常磐会短期大学, 助教授 (30340871)
金田 重郎 同志社大学, 工学部, 教授 (90298703)
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キーワード | 幼児教育 / 発達段階 / 観察視点 / 客観的評価基準 / WEBアプリケーション / ナレッジテンプレート |
研究概要 |
幼稚園・保育所など保育の現場では、一人ひとりの子どもの発達段階を把握し、その個性の成長と同時に社会性の発達を援助することがより一層強く求められている。保育者に子どもの特性を把握するための手懸りを与え、子どもを取り巻く全ての関係者が共通した「子どもの育ち」を認識できる枠組みが必要であると考える。子どもの姿をとらえる上で、保育者による観察は欠かせないものである。しかし、保育者の資質や個性による視点の違い、あるいは短期雇用の保育者の増加による保育環境の変化など、「子どもを見守る目」のズレは増幅される状況にある。 そこで、本研究では、第1に、観察視点の共有化を目指し、専門家やベテラン保育士の経験をKnowledgeとして集積し、テンプレートとして保育者に提供する。第2に、情報技術を導入することで、子どもを取り巻くすべての関係者や組織による「子どもの姿」を共通認識できるコミュニケーションの構築を考えている。 今年度は、保育記録(指導要録・児童原簿)に必要な観察視点を子どもの発達段階を踏まえ、幼稚園教育要領・保育所保育指針を元に作成した。また、発達段階を客観的に記録するための評価基準としてビゴツキーの「最近接発達領域理論」を応用した評価基準を考案し、子どもの観察記録システムのプロトタイプを構築した。 実際に保育所の協力を得てシステムを導入して観察視点と評価基準の有効性について検討をおこなった。従来は保育者の主観によって判断され、記録の作成についても3〜6ヶ月というスパンで行われていたが、システムの導入により1ヶ月毎の記録作成も可能であることが、確認できた。また、評価基準については、従来の「○×△」式の評価方法よりも判りやすく評価者自身にとっても判断しやすいことが確認できた。また、観察記録システムは、更なる精査を要するが、子どもの発達段階を捉えるための共通的な視点として可能性を感じている。
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