研究概要 |
LD, ADHD,高機能自閉症,アスペルガー症候群等で二次的障害として不登校等の適応障害になり,心身症・神経症等の診断で児童精神科や小児科,心療内科に入院し,不登校の経験をもつ児童生徒が多く在籍する病弱養護学校5校とそこに隣接する病院並びに保護者に研究協力を要請し,以下の調査を実施した。調査の方法は,面接と質問紙を用いて情報収集を行った。 (1)CBCL、TRF、YSRを使用し,三者の立場から多面的に情緒や行動を評価し、その情緒と行動の実態を把握する。(2)(1)の結果から,(1)三者の立場から多面的に情緒や行動を評価することで三者間のずれの実態,引きこもり度,不安の強さなどプロフィールの特徴について小児精神医学的分析,心理学的分析、特殊教育学的分析を行う。(2)(2)の結果と精神症状と身体症状の関連,不登校の直接の原因,経過等の分析を行うための情報収集を行い、その関連性を明らかにするための基礎的情報を得る。また、研究分担者、協力校・協力者と事例研究をとおして協議し、病弱養護学校と小・中学校との連携支援モデル、専門家チームによる巡回指導によるLD, ADHD,高機能自閉症,アスペルガー症候群等で2次的障害の改善のための小・中学校における学校支援体制モデルなどについての情報収集を行った。 以上の研究を推進すると共に、アスペルガーの二次障害予防という視点からスウェーデンにあるアスペルガー症候群の児童生徒のためのオレヤン学校(特別学級)やフレドリカ・ベルメル高校のアスペルガーの特別学級を訪問し、指導、地域支援等の実際を視察し、ストックホルム大学社会福祉学部Agneta Kindberg氏、国立特別教育研究所Harry Svensson氏、Elsebritt Lysell氏らからは二次障害予防の視点から精神科医の巡回や心理士、学校看護師との連携、地域支援を進めていくためのLSS法に基づく個別の発達計画作成等について情報を収集した。これらのことも参考にし、ガイドライン作成を試みる予定である。
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