研究概要 |
(1)前年度に引き続き,次数が一般のジーゲル保型形式のスタンダードゼータ関数の特殊値と合同の関係について考察した。また、特に、1変数保型形式fのIkeda liftと非Ikeda liftの間の合同と、fの関数の特殊値の関係について精密な予想を立て、池田保氏(京大)によるある予想を仮定して,それを証明した.これらの研究成果は2005年9月の白馬での研究集会で発表した. (2)前年に引き続き、1変数保型形式のスタンダードゼータ関数の特殊値の数値例を増やした.その際,ある場合にDoi-Hida-Ishii予想,Block-Kato予想の検証を行った. (3)非正則な場合も含むジーゲルアイゼンシュタイン級数のケッヒャー・マース級数の明示式を求めた. これと水野義紀氏(阪大)の結果を組み合わせて,関数等式と解析接続について,1978年に荒川恒男氏が得た結果の別証明および精密化を行った.(伊吹山知義氏(阪大))との共同研究) (4)Ikeda liftのFourier Jacobi係数に付随するRankin-Selberg級数の具体的表示を求める研究を行った。(河村尚明氏(北大)との共同研究。) (5)2次のジーゲル固有形式のスタンダードL関数の中心点でのnon-vanishingについて考察を行った。(松本耕治氏(名大),千田雅隆氏(東北大)との共同研究)
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