研究概要 |
有限群Gのp-ブロックをB,不足群をDとする.Bのカルタン行列C_B=(cij)(l×l-行列)のFrobenius-Perron固有値をρ(B)とする.Bがどのような場合,ρ(B)が整数になるかについて,Dがアーベル群の場合,ρ(B)が整数であることと,BとそのBrauer対応子bが森田同値になることは,同値な命題ではないかという問題が生じた.この問題は次の場合に正しいことが分かった. 1 Dが巡回群のとき,またはp=2でDが4-groupのとき. 2 Gが位数9の基本可換群Pをシロー3-部分群にもつ有限群とする.BがGの主3-ブロックのとき. 3 Gがアーベル2-群をシロー部分群にもち,BがGの主2-ブロックのとき. Gがp-可解群の場合,不足群がアーベル群であるような任意のp-ブロックは,Bとbは常に森田同値になることが知られている.したがって非可解群の場合の考察が必要である.単純群について1,2,3の場合,Bとbが導来同値になる(つまりBroue予想が成り立つ)という先人の研究がある.筆者は単純群とは限らない一般の有限群について,Bとbが導来同値より強い森田同値になることと,ρ(B)の整数性が,同値な命題になることを,1,2,3の場合に示した.
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