研究概要 |
指数が2以上の3次元端末特異点の特異点除去,部分的特異点除去および因子収縮に関して以下に述べる研究を行った. 1.以前構成した,指数mが2以上の3次元端末特異点につぶれる既約例外因子の食い違い係数が1/mの因子収縮を繰り返すことにより,指数が1の端末特異点しか持たない代数多様体からの双有理射を具体的に構成した.その結果として指数が2以上の3次元端末特異点の上空にある食い違い係数が1以下の既約因子をすべて決定した. 2.3次元端末特異点について,食い違い係数が1未満または1以下となるような因子だけすべてを例外因子としてもつような部分的特異点除去が存在するかというM.Reidの問題(経済的特異点解消の存在)に対して,元々の問題にある形では経済的特異点解消は一般には存在しないことを示した.さらに経済的特異点解消が存在するためにどのような特異点を許せばよいのかについて考察し,必要な修正の後に経済的特異点解消が存在することを示した. 3.既約因子を指数2以上の3次元端末特異点につぶす因子収縮のうち,その既約因子の食い違い係数が1となるものについて,4次元または5次元の巡回商特異点の中への埋め込まれ方および因子収縮を得るための重み付きブローアップの重みを具体的に定めることにより,すべて決定した.これにより指数が2以上の端末特異点につぶれる因子収縮のうち既約因子を1点につぶすものはほとんどすべてその具体的な記述がわかる.
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