研究課題
本研究は、3年にわたりフロベニウス環の構造解明とそれに関連する問題の解決を目的として進めてきた。その最終年度として以下の成果を得た。これらの成果は下記の「11.研究発表」にあるように各種学術誌と学会・研究集会において発表した。(1)QF環の構造研究:Nakayama環やHarada環などの重要なArtin環の根底をなすのが局所QF環から構成されるskew-matrix環である。よってskew-matrix環はArtin環において本質的である。本研究では特に、巡回的Nakayama置換とNakayama自己同型をもつbasicQF環、及び任意に与えられた置換をNakayama置換にもつbasicQF環を、局所QF環上のskew-matrix環を用いて構成した。また、全ての局所因子がQF環である環の特徴付けを与えた。(2)QF環の構成と分類:下記研究目的(3)に関連し、具体的にQF環を構成しそれらを分類することが問題となる。これに関して前年度までに得た根基3乗0の次数付き局所QF環の構成と分類の結果を、一般の局所QF環に拡張することができた。この結果は次の(3)の研究に深く関係する重要な成果である。(3)QF環から派生するArtin環の構成と「Faith予想」:「Faith予想」とは片側入射的半準素環の構成問題である。(3)の研究に深く関係する重要な成果である。(3)QF環から派生するArtin環の構成と「Faith予想」:「Faith予想」とは片側入射的半準素環の構成問題である。本研究期間内にこの問題の解決には至らなかったが、(1)(2)の成果をふまえた局所環の具体的構成法を与えることにより、この問題を斜体の構造解析に帰着するという、解決への糸口となる結果を得た。一方、ここで考察される局所環は、その中心環上無限次元の非アルチン環であり、その代表的なNeumann正則環の構造研究がこの問題に有効に活用される。これに関して分担者により比較可能性と有限性を持つNeumann正則環の構造を解明した。これらの成果は下記の「11.研究発表」にあるように各種学術誌と学会・研究集会において発表した。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件)
Applied Categorical Structures, Springer, to appear (掲載確定)
Communications in Algebra, to appear (掲載確定)
Proceedings of the 5th China-Japan-Korea International Conference on Ring Theory, World Scientific, to appear (掲載確定)