研究課題
基盤研究(C)
本研究はフロベニウス環の構造解明とそれに関連する問題の解決を目的とし以下の成果を得た。(1)QF環の構造研究:重要なArtin環であるNakayama環やHarada環は、QF環上のskew-matrix環の剰余環により構成される。Artin環の構造研究においてskew-matrix環は本質をなす。本研究では局所QF環上のskew-matrix環を用いて、巡回的Nakayama置換とNakayama自己同型をもつbasicQF環、および任意に与えられた置換をNakayama置換にもつbasic QF環を構成した。また、すべての局所因子がQF環であるような環の特徴付けを与えた。(2)QF環の構成と分類:下記の研究(3)の「Faith予想」に関連して、具体的にQF環を構成しそれらを分類することが問題となる。本研究では根基3乗0の局所QF多元環の構成と分類に関する以前の結果を更に発展させ、低次元の局所QF多元環を分類した。また、有限次元多元環でない局所QF環の具体的な構成法と、更にその分類につながる同型判定条件を与えた。これは研究(3)に関連し重要な成果といえる。(3)QF環から派生する環と「Faith予想」:「Faith予想」とは片側入射的半準素環の構成問題である。残念ながら本研究期間内にこの問題の解決には至らなかったが、(2)で得られた局所環の具体的構成法により、片側入射的半準素環の存在と、'特異な'斜体の存在との密接な関連を解明し、問題解決への糸口となる結果を示した。一方、ここで扱う局所環は、中心環上無限次元の非アルチン環であり、その代表的なNeumann正則環の構造研究が有効に活用される。これに関して分担者により比較可能性と有限性を持つNeumann正則環の構造を解明する成果をあげた。これらの成果は「11.研究発表」にあるように各種学術誌と学会・研究集会において発表した。
すべて 2008 2007 2006 2005 その他
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (20件)
Communications in Algebra 35
ページ: 2171-2182
Proceedings of the 39th Symposium on Ring Theory and Representation Theory 39
ページ: 36-44
研究集会「環論とその周辺」報告集
ページ: 1-39
ページ: 136-142
Communications in Algebra 35, refereed
Proceedings of the "Ring Theory and Related Topics"
Advances in Ring Theory, Proceedings of the 4th China-Japan-Korea International Conference, World Scientific
ページ: 106-117
Applied Categorical Structures, Springer, to appear (掲載決定)
Communications in Algebra, to appear (掲載決定)
Proceedings of the 5th China-Japan-Korea International Conference on Ring Theory, World Scientific, to appear (掲載決定)
Applied Categorical Structures, Springer (to appear)
Communications in Algebra (to appear)
Proceedings of the 5th China-Japan-Korea International Conference on Ring Theory, World Scientific (to appear)