研究概要 |
本年度については偏極多様体の断面不変量を用いて随伴直線束の0次コホモロジーの次元について考察した.そして以下のような結果を得た. (X,L)を非特異偏極多様体,(M,A)を(X,L)のreduction,K_XをXの標準因子,O_XをXの構造層,κ(X)をXの小平次元とする. 1.dimX=3の時, (1)もしκ(X)【greater than or equal】0ならば,dimH^0(K_x+L)【greater than or equal】5/(36)A^3+1/8K_MA^2>0であることを証明した. (2)Xはκ(X)【greater than or equal】0か,もしくはκ(X)=-∞かつdimH^1(O_X)>0であるとする.もしκ(K_X+L)【greater than or equal】0ならばdim H^0(K_X+L)>0となることを証明した. 2.dimX=4の時. (1)もしκ(X【greater than or equal】0ならば,任意の整数mでm【greater than or equal】2となるものに対してdimH^0(K_X+mL)【greater than or equal】((4^^(m+2)))>0となることを示した. (2)(Beltrametti-Sommese予想の部分的解決) K_X+3Lはnefであると仮定する.この時Xがκ(X)【greater than or equal】0か,もしくはκ(X)=-∞かつdimH^1(O_X)>0を満たすならばdimH^0(K_X+3L)>0が成り立つことを示した. (3)もしκ(X)【greater than or equal】0かつdimH^1(O_X)>0なら,dimH^0(K_X+L)>0が成り立つことを示した.
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