研究課題/領域番号 |
17540033
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
福間 慶明 高知大学, 理学部, 准教授 (20301319)
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研究分担者 |
大浦 学 高知大学, 理学部, 准教授 (50343380)
川内 毅 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (30323778)
高木 寛通 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30322150)
土基 善文 高知大学, 理学部, 准教授 (10271090)
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キーワード | 偏極多様体 / 豊富な因子 / 断面幾何種数 / 随伴束 / 断面Euler数 / 断面Betti数 / 第iΔ-種数 |
研究概要 |
Xを複素数体上定義されたn次元非特異射影多様体、K_XをXの標準因子、iを0以上n以下の整数、L、L_1、…、L_<n-i>をX上の豊富な因子とする。本年度については以下のことについて成果が得られた。 1.マルチ偏極多様体(X,L_1,…,L_<n-i>)の第i断面幾何種数の性質を用いることにより3次元の場合のBeltrametti-Sommese予想の一般化と思える次の結果を証明した:K_X+L_1+L_2がnefならばh^0(K_X+L_1+L_2)>0である。 2.偏極多様体(X、L)が非特異曲線上のhyperquadric fibrationのときについて、第i断面Euler数e_i(X、L)を明確な形で計算することができた。またこれを用いて第i断面Betti数の非負性(ただしi〓4)を示すことができた。(指導学生浦木篤史との共同研究) 3.平成17年度からの継続研究として随伴束K_X+mLの大域切断の次元h^0(K_X+mL)を組織的に調べた。この3年間でまず0〓i〓nなる任意の整数iに対して新たな不変量A_i(X、L)(=(-1)^iX^H_i(X、L)+(-1)^<i-1>X^H_<i-1>(X、L))を導入し、A_i(X、L)に関する性質を調べた。またA_i(X、L)を用いてh^0(K_X+mL)をあらわすことができ、これによりh^0(K_X+mL)の性質を調べるためにはA_i(X、L)の性質を詳しく調べることが重要であることがわかった。実際A_i(X、L)の性質を用いてh^0(K_X+mL)に関するいくつかの結果を導けた。 4.偏極多様体(X、L)の第iΔ-種数の非負性は一般には成り立たないことが以前に調べた結果からわかっていた。そこで一般に非負性はどの程度言えるかについて調べ、次のことを示すことができた:h^0(L)>0のときdimBs|L|+1〓i〓nなる任意の整数iに対してΔ_i(X、L)〓0が成り立つ。またi=dimBs|L|かつΔ_i(X、L)<0なる(X、L)の例についても発見した。
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