研究概要 |
本研究の目的は射影多様体のCastelnuovo-Mumford量のCastelnuovo型の上限についての問題を進めていくことにありました。一般次元のBuchsbaum多様体の上限については、等号の場合は、最小次数の多様体の因子に対応することが知られていましたが、今年度の研究において、等号の次の上限の場合は、最小次数の多様体に加えて、次の次数の多様体、つまり、Del Pezzo多様体の因子に対応するという結果について、標数の関わり方についても道筋がつき、きちんとした証明を得ました。この結果は、2009年2月の九大での研究集会で結果を報告し、現在、論文を作成中です。射影曲線の場合のCastelnuovo-Mumford量のCastelnuovo型の分類についても、Si-Jong Kwak氏(KAIST,韓国)および野間氏(横浜国大)とは、佐賀大学および韓国で、寺井氏も含めて研究打ち合わせなどを行いました。一般の射影曲線の場合は、その不変量の度合いに応じて、高い次元の有理線織多様体にはいることがわかるため、この方向からアプローチすることは今後の課題となりました。また、一般次元の射影多様体のCastelnuovo-Mumford量とSecant Lineとの関連性の問題も野間氏などと議論しました。2008年11月には可換環論シンポジウムを国民宿舎虹の松原(唐津)で主催し、3名の外国人招待講演者を含めて約70名の可換環論およびその周辺分野の研究者が参加しました。Irena Swanson(Reed College, USA)とも議論する良い機会になりました。
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