研究課題/領域番号 |
17540044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
塩田 徹治 立教大学, 理学部, 名誉教授 (00011627)
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研究分担者 |
青木 昇 立教大学, 理学部, 教授 (30183130)
筧 三郎 立教大学, 理学部, 助教授 (60318798)
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キーワード | モーデル・ヴェイユ格子 / K3曲面 / 有理楕円曲面 / 特異ファイバー / 整点 / クンマー曲面 / サイクル |
研究概要 |
「研究の目的」で挙げた第一のテーマ:K3曲面上のサイクルとモーデル・ヴェイユ格子について、一般のK3曲面の場合の研究の足掛りとするため、まずクンマー曲面の場合を研究した。とくに、クンマー曲面上の楕円ファイブレーションを定める「楕円パラメータ」と定義方程式を具体的に決定することを目標として、次の著しい結果を得た。 1.直積アーベル曲面のクンマー曲面から生ずる楕円曲面は、(一般の場合)小木曽(1989)により幾何学的に異なる11種のタイプに分類されている。研究代表者は、鍬田(中央大学)とともに各タイプの楕円パラメータと定義方程式を決定し、さらに付随するモーデル・ヴェイユ格子の構造を決定した。 2.古典的なクンマー曲面の理論を、モーデル・ヴェイユ格子の観点から考察して、種数2の代数曲線の自己同型と、特異ファイバーないし切断の関係を解明した。 3.楕円曲面の特異ファイバーの組み合わせは、昨年度研究したシャファレヴィチ対応により、もう一つの楕円曲面の「整点」で記述される。発想を転換して、これを整点の構成法とみることができる。この観点から有理楕円曲面の場合を組織的に調べる方法を開発した。これはエクセレント・ファミリーの構成および消滅サイクルの考えを、モーデル・ヴェイユ格子と結びつけることで得られる。
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